山梨のすみれ
 すみれを探しに良く出掛ける山梨県は、すみれの種類も多いのだろうと思っていました。「山梨県植物誌」を国立国会図書館で借りることができて、やっと全体像をつかむことができました。
 フジスミレという記載があるのに驚いています。いつも散策をするエリアにも自生するという記載に、更に驚いてしまいました。確認後、フジスミレのページを修正する必要があるかも知れません。また、ヒメミヤマスミレとは別にトウカイスミレも自生していますので、これを追加しておきます。さて、シロスミレは長野県との県境に自生を確認していますので、追加しておきますが、トウカイスミレの場合と異なり、記載がないことが少し不思議です。
(2009/08/01)

 情報が少なくて困っていたのですが、よく考えたら、山梨スミレの会さんの資料がありました。良い感じになりましたね。ただ、アケボノスミレがないのが不思議です。参考まで、外来種のフイリゲンジスミレとニオイスミレが記載されていましたが、割愛しています。
(2013/02/20)

 田中ゲンゴロウ(智)氏の著作による「山梨県のすみれ と その研究」をほぼ発行日に入手できました。この書籍の感想は書籍のページに記載するとして、判明する限り、自生情報を更新してみました。稀に、自生しているのではなく、参考まで記載しているケースがあり、確かな種だけを対象としました。自然交雑種については、とりあえず、和名がある種だけを対象としていますが、これでは片手落ちな感じがしますね。
(2023/07/06)


アカネスミレ アケボノスミレ ゲンジスミレ トウカイスミレ イブキスミレ エゾアオイスミレ
種(無茎) 変種または品種 参考資料 補足
アカネスミレ A) B) C) (ウスアカネスミレ)
オカスミレ B) C)
コボトケスミレ B)
アケボノスミレ A) C) (シロバナアケボノスミレ、クロバナアケボノスミレ)
アリアケスミレ B) C)
ウスバスミレ C)
エイザンスミレ A) B) C)
シロバナエゾスミレ B) C)
ゲンジスミレ A) B) C)
コスミレ A) B) C)
コミヤマスミレ A) B) C)
フイリコミヤマスミレ B)
サクラスミレ A) B) C) (シロバナサクラスミレ)
チシオスミレ B) C)
シコクスミレ A) B) C)
シハイスミレ A) B) C)
シナノスミレ C)
フイリシハイスミレ C)
マキノスミレ A) B) C)
フイリマキノスミレ B)
シロスミレ C)
スミレ A) B) C) (ケナシスミレ)(ミョウジンスミレ)
ホコバスミレ B) C)
シロバナホコバスミレ B)
トウカイスミレ C)
ナガバノスミレサイシン A) B) C)
ノジスミレ A) B) C) (オトコノジスミレ)
ナンザンスミレヒゴスミレ A) B) C)
ヒカゲスミレ A) B) C) (ハグロスミレ)
ヒナスミレ A) B) C)
シロバナヒナスミレ C)
フイリヒナスミレ B) C)
ヒメスミレ A) B) C)
ヒメスミレサイシン A) B) C)
ヒメミヤマスミレ A) B) C)
フモトスミレ A) B) C) (シラユキフモトスミレ)
フイリフモトスミレ B) C)
フジスミレ A)
マルバスミレ A) B) C) (ケマルバスミレ)
ミヤマスミレ A) B) C)
種(有茎) 変種または品種 参考資料 補足
アオイスミレ A) B) C)
イブキスミレ A) B) C)
エゾアオイスミレ A) B) C) (マルバケスミレと記載)
シロバナテシオスミレ C)
エゾノタチツボスミレ A) B) C)
キスミレ A) B) C)
キバナノコマノツメ A) B) C)
タチツボスミレ A) B) C) (ケタチツボスミレ)
アカフタチツボスミレ B)
オトメスミレ B)
ケイリュウタチツボスミレ C)
コタチツボスミレ B)
サクラタチツボスミレ B)
シロバナタチツボスミレ B)
ミドリタチツボスミレ B)
ナガハシスミレ A)
ニオイタチツボスミレ A) B) C)
ニョイスミレ A) B) C) (ツボスミレと注釈)
アギスミレ B)
ムラサキコマノツメ B)
種(自然交雑) 参考資料 補足
アスマスミレ C) スミレ x アカネスミレ
アルガスミレ C) サクラスミレ x スミレ
オクタマスミレ B) C) エイザンスミレ x ヒナスミレ
フイリオクタマスミレ B) エイザンスミレ x フイリヒナスミレ
オサカスミレ C) ヒカゲスミレ x ヒナスミレ
エドスミレ B) エイザンスミレ x スミレ
カクマスミレ B) C) アカネスミレ x ゲンジスミレ
カワギシスミレ C) エイザンスミレ x マキノスミレ
コワシミズスミレ C) サクラスミレ x シロスミレ
キリガミネスミレ C) スミレ x シロスミレ
スルガキクバスミレフイリスルガキクバスミレ B) フイリフモトスミレ x エイザンスミレ
スワスミレ C) エイザンスミレ x ヒカゲスミレ
スワタチツボスミレ C) タチツボスミレ x エゾノタチツボスミレ
ナガバノアケボノスミレ B) C) ナガバノスミレサイシン x アケボノスミレ
ナガバノシコクスミレ C) ナガバノスミレサイシン x シコクスミレ
ハリマスミレ C) スミレ x アリアケスミレ
ヒラツカスミレ B) C) エイザンスミレ x ヒゴスミレ
フギレサクラスミレ B) エイザンスミレ x サクラスミレ
フギレミヤマスミレ C) エイザンスミレ x ミヤマスミレ
フクザワスミレ C) ゲンジスミレ x ノジスミレ
マルバヒナスミレ B) マルバスミレ x ヒナスミレ
マルバタチツボスミレ C) タチツボスミレ x ニオイタチツボスミレ
ミツモリスミレ C) フイリフモトスミレ x マキノスミレ
モチヅキスミレ C) スミレ x コスミレ
ヤシュウスミレ B) C) サクラスミレ x フモトスミレ
種(自然交雑 無名) 参考資料 補足

書籍上、表現が不確かな種に関しては除外し、変種や品種については主要なもののみを選びました 〇=自生確認

記号 参考資料 著者、編者 発行/出版 発行
A) 山梨県植物誌 山梨県植物誌編集委員会 (山梨県)県民生活局環境公害課 1982年3月31日
B) すみれの観察と栽培 山梨スミレの会 山梨スミレの会
C) 山梨県のすみれ と その研究 田中 げんごろう(智) 八風舎 2023年7月1日

気温グラフ 降水量グラフ
【参考:気象統計情報】 甲府市の例 (総務省統計局資料を利用)

各地のすみれ 掲載種について

 「各地のすみれ」に掲載しております自生種などの情報は、ご覧いただければ一目瞭然ですが、収集した植物誌など、参考資料の記載内容を紹介しているものです。こうした参考資料は、一般に、県や市などの地方自治体や教育機関、地方の博物館や植物学会、研究団体(個人を含む)などが情報収集の上、編集したケースが多いと認識されます。

 それらの参考資料が編集された時期、目的や経緯、情報収集や編集をされた方々の属性はいろいろですので、一貫性は期待できません。また、ご承知の通り、植物分類学の世界でも学術的知見が変わり続けていますので、編纂時期によって種の名称や表現が変わっているのは、むしろ、当然と言えます。
 編集者の属性も千差万別であり、正直なところ「ちょっと怪しい」情報も、まぁまぁ存在しています。スミレ科に関する限り、このサイトに訪問されている方々の方が、よりディープな知識をお持ちである場合も多いことでしょう。

 「ちょっと怪しい」を超えて、「明らかに外来種である」とか、「これは歴史的に変更された事実がある」、もしくは「単純ミス」などというケースに対しては、それなりの注釈を付けています。
 こうした状況を踏まえて、ご意見や情報をいただくこともありますが、全く踏まえていただけず(笑)、『間違いが多いから直せ』といったアドバイスをいただくこともありました。しかしながら、これらの情報は、日本に植物分類学が定着を始めた頃から現在に至る、歴史的側面を含む「記載事実」ですから、皆様からの投稿で作り変えるといった性質もしくは対象ではありませんね。それは、明らかに編者各位にも歴史に対しても失礼な態度ではないでしょうか。
 現在、私たちが持っている知識は、こうした試行錯誤も含む歴史の積み重ねの上に成り立っているものです。その知識でさえ、来年には変わってしまうかも知れません。悪しからず、ご了承いただくべき性質だと考えて、簡単な補足を施させていただくものです。ぜひ、ご理解下さい。


(つぶやきの棚)徒然草

 (2009/08/01) Latest Update 2024/08/06 [135KB]

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