分類 | タチツボスミレ類 | |
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学名 | 基本種 | エゾノタチツボスミレ Viola acuminata Ledebour Published in: Fl. Ross. 1: 252. (1842) |
変種 | Viola acuminata var. pilifera C. J. Wang | |
品種 |
シロバナエゾノタチツボスミレ Viola acuminata f. alba Moriya
ケナシエゾノタチツボスミレ Viola acuminata f. glaberrima (H.Hara) Kitam. Published in: Acta Phytotax. Geobot. 20: 196. (1962)
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異名 |
Viola micrantha Turcz.
Viola laciniosa A. Gray
Viola acuminata var. glaberrima H.Hara Published in: J. Jap. Bot.,12: 220. (1936)
その他多数の記録がある |
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由来 | acuminata : 先細りの、鋭尖の | |
外語一般名 | 【中】鸡腿堇菜 | |
茎の形態 | 有茎、草丈が高い(20~40cm)←書籍『岩手のスミレ』には60cmに達すると記載。 | |
生育環境 | 寒冷な地方に多い。明るい高原の林、草原などに叢生する。 | |
分布 | 国内 | 北海道はほぼ全域、本州内陸では高地。伊豆半島、伊吹山に隔離的に分布する。 |
海外 | シベリア、中国、朝鮮半島、樺太、千島。 | |
補足 | 岡山県に自生記録がある。 | |
花の特徴 | 形状 | 中輪。側弁の基部に白い剛毛が見られる。 |
色 | 白から淡紫色。側弁と唇弁は細長く、紫条が入る。 | |
距 | 白いことが多く、丸くて短い。中央に桃割れ風な筋が入っている。 | |
花期 | 遅め(自生地では5~6月)。 | |
花柱 | 棒状で先が少し膨らんでいる。 一般に肉質の突起毛が見られる。アイヌタチツボスミレなどと共通した特徴とのこと。 |
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芳香 | ||
補足 | 全体の大きさに比較して花は小さいイメージ。萼片は細長い。 | |
葉の特徴 | 形状 | ハート形。茎葉は2~5cmで基部は浅い心形。 |
色 | 両面とも柔らかい緑色。表裏で差が少ない。 | |
補足 | 根生葉は丸く、茎生葉上方の葉は大きくて先が尖っている。托葉は長楕円形で大きく、櫛の歯状に裂けていて目立つ。 | |
種の特徴 | 形状 | 小粒、卵形。果実は長楕円形。 |
色 | ||
補足 | ||
根の特徴 | 淡い褐色で密生する。 | |
絶滅危惧情報 | 秋田県:絶滅危惧Ⅰ類、山形県:絶滅危惧Ⅰ類、宮城県:準絶滅危惧種、新潟県:地域個体群、岡山県:準絶滅危惧種 | |
基準標本 | アルタイ、バイカル、ダウリア | |
染色体数 | 2n=20 (Probatova, N. S. & A. P. Sokolovskaya. 1983. Chromosome Numbers in Adoxaceae, Chloranthaceae, Cupressaceae, Juncaceae, Poaceae.) |
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参考情報 | ||
その他 |
花茎、葉茎、葉、萼片に至るまで、比較的長い毛が見られる。別名:イヌスミレ。 花後に草丈がすっと伸びるとのこと。草丈は高低バラツキが大きい。 シロバナエゾノタチツボスミレは普通に見られるとのこと。 (前述の『岩手のスミレ』には「岩手県内では白花の方が多い」と記載されている。) ツボは『坪』と書き、古い表現で「庭(普通の場所)」を意味する。『壷』と誤認が多い。 |
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単なる参考ながら、北米東部に自生するViola striata Aiton が、花、茎の様子など多くの点でエゾノタチツボスミレに良く似ているように見える。 |