愛媛のすみれ
 昭和3年(1928年)に発行された「愛媛県植物誌」を参照しました。シロスミレをシロバナスミレ( Viola patrinii var. typica )と表現しています。実は、そのことよりも時代を感じたのはイヨスミレの記載で、皿嶺(皿ガ嶺)に自生するとされています(現在はある山で保護されています)。
 ヒメミヤマスミレの記載がありましたが、実際に見てきましたので、これはトウカイスミレ(裸名→新種として発表、2023/04/20)として扱いました。
(2009/08/16)


コミヤマスミレ シコクスミレ シハイスミレ トウカイスミレ フイリナガバノスミレサイシン
種(無茎) 変種または品種 参考資料 補足
アカネスミレ A) B)
アケボノスミレ A) B)
アリアケスミレ B)
エイザンスミレ 〇A) B) (エゾスミレと記載)
シロバナエゾスミレ
ヒトツバエゾスミレ B) 絶滅危惧
ゲンジスミレ A) B) A:イヨスミレとして記載、絶滅危惧
コスミレ A) B)
コミヤマスミレ 〇A) B)
サクラスミレ B)
シコクスミレ 〇A) B)
シコクミヤマスミレ 〇B)
シハイスミレ 〇A) B)
(シロスミレ)ホソバシロスミレ A) B) (シロバナスミレと記載)
スミレ A) B)
ホコバスミレ B)
トウカイスミレ 〇 ヒメミヤマスミレとして記載
ナガバノスミレサイシン A) B)
フイリナガバノスミレサイシン 〇
ナンザンスミレ>ヒゴスミレ B)
ノジスミレ B)
ヒカゲスミレ B)
ヒメスミレ 〇A) B)
ヒメミヤマスミレ
フジスミレヒナスミレ B)
フモトスミレ 〇A) B)
フイリフモトスミレ
マルバスミレ A) B) (A:ケマルバスミレと記載)
種(有茎) 変種または品種 参考資料 補足
アオイスミレ B)
キスミレ B) 愛媛県:絶滅危惧1B類(EN)
キバナノコマノツメ A) B)
タチツボスミレ 〇A) B) アカフタチツボスミレ
ケイリュウタチツボスミレ 渓流沿い植物
コタチツボスミレ 〇B) (タチツボスミレ「山陰型(仮称)」とみられる)
ナガバノタチツボスミレ 〇B)
ニオイタチツボスミレ
ニョイスミレ 〇A) B) (ツボスミレと記載)
アギスミレ A) B)
ヒメアギスミレ
種(自然交雑) 参考資料 補足
カツラギスミレ B) シハイスミレ x ヒゴスミレ
キソスミレ B) スミレ x ゲンジスミレ
フギレシハイスミレ B) エイザンスミレ x シハイスミレ
ホウフスミレ B) スミレ x シハイスミレ
種(自然交雑 無名) 参考資料 補足

書籍上、表現が不確かな種に関しては除外し、変種や品種については主要なもののみを選びました 〇=自生確認

記号 参考資料 著者、編者 発行/出版 発行
A) 愛媛県植物誌 八木繁一 光永勝次郎 1928年5月10日
B) 高知県の植物 第14号 四国産スミレ属の研究(愛媛県産植物の種類より) 土佐植物研究会 土佐植物研究会 1998年1月

気温グラフ 降水量グラフ
【参考:気象統計情報】 松山市の例 (総務省統計局資料を利用)

各地のすみれ 掲載種について

 「各地のすみれ」に掲載しております自生種などの情報は、ご覧いただければ一目瞭然ですが、収集した植物誌など、参考資料の記載内容を紹介しているものです。こうした参考資料は、一般に、県や市などの地方自治体や教育機関、地方の博物館や植物学会、研究団体(個人を含む)などが情報収集の上、編集したケースが多いと認識されます。

 それらの参考資料が編集された時期、目的や経緯、情報収集や編集をされた方々の属性はいろいろですので、一貫性は期待できません。また、ご承知の通り、植物分類学の世界でも学術的知見が変わり続けていますので、編纂時期によって種の名称や表現が変わっているのは、むしろ、当然と言えます。
 編集者の属性も千差万別であり、正直なところ「ちょっと怪しい」情報も、まぁまぁ存在しています。スミレ科に関する限り、このサイトに訪問されている方々の方が、よりディープな知識をお持ちである場合も多いことでしょう。

 「ちょっと怪しい」を超えて、「明らかに外来種である」とか、「これは歴史的に変更された事実がある」、もしくは「単純ミス」などというケースに対しては、それなりの注釈を付けています。
 こうした状況を踏まえて、ご意見や情報をいただくこともありますが、全く踏まえていただけず(笑)、『間違いが多いから直せ』といったアドバイスをいただくこともありました。しかしながら、これらの情報は、日本に植物分類学が定着を始めた頃から現在に至る、歴史的側面を含む「記載事実」ですから、皆様からの投稿で作り変えるといった性質もしくは対象ではありませんね。それは、多くの場合、編者各位にも歴史に対しても失礼な態度になりかねないと懸念されます。
 現在、私たちが持っている知識は、こうした試行錯誤も含む歴史の積み重ねの上に成り立っているものです。その知識でさえ、来年には変わってしまうかも知れません。悪しからず、ご了承いただくべき性質だと考えて、簡単な補足を施させていただくものです。ぜひ、ご理解下さい。


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 (2009/08/16) Latest Update 2025/11/21 [135KB]

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