オオバタチツボスミレ (大葉立坪菫) [別名:ヤチスミレ]
北海道(道東) 2010年6月1日 alt.=5m
北海道(道東) 2010年6月1日 alt.=5m
さすがのオオバタチツボスミレも、ミズバショウやオオバギボウシの横では小さく見えます。自生密度では、過去最大級でした。
北海道(道南) 2024年6月14日 alt.=750m
分類 |
オオバタチツボスミレ類 |
学名 |
基本種 |
オオバタチツボスミレ Viola kamtschadalorum W. Becker et Hulten Published in: Ark. Bot. 22A(3):6. (1928) |
変種 |
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品種 |
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異名 |
タカネタチツボスミレ(旧称) Viola langsdorfii Fisch. ex Ging. ssp. sachalinensis W.Becker Published in: Beih. Bot. Centralbl., Abt. 2, 34:253. (1916)
Viola simulata M.S.Baker、Viola ursina Kom.
Viola kurilensis Nakai
≡ Viola sapporensis Franch.
Viola ursina Komarov
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由来 |
kamtschadalorum : 地名に由来する、(cf.:kamtschatica、camtschatcense)
langsdofii : 人名に由来する G. H. von Langsdorff, 1774-1852 ドイツの植物採集家
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外語一般名 |
【英】 Alaska violet |
茎の形態 |
有茎。30cm程度。直立する。 |
生育環境 |
本州内陸では高層湿原(尾瀬のような場所)の開けた草地や湿り気のある林下。
北海道では海岸草原などを含め、広い地域で見られる。
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分布 |
国内 |
本州内陸では高地に点在するが、北海道のほぼ全域で見られる。 |
海外 |
アラスカ、カムチャッカ、千島、樺太。 |
補足 |
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花の特徴 |
形状 |
大輪。側弁は有毛(白い毛が密生する)。 |
色 |
花弁は淡紫から紫色、全ての花弁で濃い紫条が目立つ点が特徴的。 |
距 |
丸くて短い。 |
花期 |
遅め。 |
花柱 |
カマキリの頭形(虫頭形)。 |
芳香 |
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補足 |
上弁は後方に反るように開く。 |
葉の特徴 |
形状 |
円心形から卵型。鋸歯はゆるやかで目立たない。 |
色 |
両面とも濃緑色。 |
補足 |
葉は厚い。花後、葉柄が長く伸び、夏葉は非常に大きくなる。
托葉は広披針形。櫛の歯状に裂けず、ギザギザはない(ほぼ全縁)。大きくて目立つ。
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種の特徴 |
形状 |
倒卵形(先端は切型)。大粒。 |
色 |
種子:浅褐色または茶褐色に微細な斑点、種枕(エライオソーム):淡褐白色。光沢は弱い。 |
補足 |
種子数は20個前後、へそに大きな種枕がある。 |
根の特徴 |
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絶滅危惧情報 |
環境省【準絶滅危惧(NT)】 、青森県:絶滅危惧Ⅱ類、岩手県:絶滅危惧Ⅰ類、山形県:絶滅危惧Ⅰ類、福島県:絶滅危惧Ⅰ類、新潟県:絶滅危惧Ⅱ類、群馬県:絶滅危惧Ⅱ類、長野県:絶滅危惧Ⅰ類 |
基準標本 |
サハリン |
染色体数 |
2n=96 |
参考情報 |
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その他 |
太い地下茎が横走する。
名称に「タチツボスミレ」を含むが、ニョイスミレに近縁。
DNAを見る限り、Viola kauaensis という木本性のすみれに最も近い種とのこと。
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展示会で撮影させて頂きました。
小さめの鉢で育てたからなのか、全体の印象がおとなしい感じがします。この種は鉢でも栽培できるようですが、自然に近い姿が好ましいとすれば、プランターなどで育てる方が良いかも知れません。
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東京都 2011年4月9日 植栽 |
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タネから栽培してみました。どんな風に閉鎖花が出るのか分かりますね
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千葉県 2006年5月26日 植栽 |
北海道北海道(道東) 2010年6月1日 alt.=5m
遠目にもオオバタチツボスミレと分かる花の大きさ、強い紫の筋が特徴です。実際、最初に見た個体は数メートル先にあるものでした。
2005/07/12
気が付いたら、学名が変わっていました。
従前はViola langsdorfii Fisch. ex Ging. ssp. sachalinensis W.Becker とされていたのですが、V. kamtschadalorum W. Becker et Hulten 、おそらくカムチャッカという地名に由来するであろう名前に変わっています。実は、前者はタカネタチツボスミレと同じで、後者は synonymであるという情報を得ていた時点の更に後、別種であるという情報も得ていました。しかしながら、結果的にオオバタチツボスミレの学名が、過去の図鑑の記載と置き換わるという認識がありませんでした(迂闊です)。
2009/11/10
やっと北海道で観察することができました。高層湿原のすみれというイメージに反して、砂洲の上にできた海岸草原で元気に花を咲かせていました。花色は若干濃いイメージがあります。同時に、花茎の色も赤味を帯びて濃いものでした。希少種というイメージにも反して、相当数の株を観察でき、とても驚いています。ところ変われば、すみれも変わる、でしょうか。
2010/06/11
▲ PLAY(注:動画再生に伴って自然音が流れます! 11sec. loop )
長野県下高井郡 2022年6月18日