苔生した古木の途中に「お座敷」のような小さい樹洞(うろ)ができていて、そこにタチツボスミレが咲いていました。これは一個の種子が辿り着いて大きくなった、もしや、単独の個体なのでしょうか。時の経過を示すように、枯れた茎がたくさん見えています。
どうやって辿り着いたのでしょう。すみれは蟻散布植物という属性を持っていますから、蟻が顎に種子を咥えて、この高さまで運び上げたのかも知れません。すると、ここに蟻の巣があっても良さそうなものですが、その様子はありませんでした。実は、斜面の上から見下ろすように撮影しており、地面から樹洞の位置までは、人間の背丈ほどあります。3枚目の写真だけは、まだ、蕾もない時期の撮影です。