すみれ交配の先駆け的な存在である鈴木吉五郎氏
作出のトミオカスミレです。葉の模様から想像できるように片親はスミレの品種のニシキスミレですが、もう一方の親は何でしょうか。資料には中国や朝鮮半島に自生するフイリゲンジスミレとあります。ともに葉の模様に特徴がある組み合わせですね。
ニシキスミレの母種はスミレ、フイリゲンジスミレの変種で日本に自生するのはゲンジスミレですが、スミレとゲンジスミレが両親という組み合わせはキソスミレと呼ばれることになります。こんなことだから、すみれは難しいと言われてしまうのでしょうね。基本的に和名には登録制度はなくて、また、当時はそれなりの事情があったのかも知れません。まぁ、現在なら少しは相互監視ができるのでしょう。
[注] 植物には、別に学術目的とは異なる品種登録制度がありますが、現状、鈴木進氏の「久我の舞」など、登録件数は極めて少ないのです。