戻る→ ←戻る エゾアオイスミレ 進む→ 進む→

 以前より、この妙な形をした莢(さや)に興味を持っていました。空中に伸び上がらず、地面にべったりとくっついたままです。鉢植えで育ててみても、同じように地面に転がっています。一昨日、ついにはそのまま莢が割れて、タネが転がり出してしまいました。
 実は、この事実を確認したかったんですね。植物のタネが根元に転がるようでは、種として拡散ができません。エゾアオイスミレはタネを拡散させるために、エライオソームHELP!で蟻を誘って運ばせる「アリ散布植物」としての側面が強いということです。
 エライオソームは、蟻を引きつける物質を含むゼリー状をしたタネの付属体です。蟻はタネを巣まで運んだ後、不要なタネは捨ててしまいますが、この運搬距離は、タネが莢の炸裂によって飛ぶ飛距離よりも長く、結果として効率良く目的を達成することができる訳ですね。このような技(?)を使う植物がフクジュソウ、エンレイソウ、カタクリ、ムラサキケマン等、存外多いとのことです。
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